ダクト断熱釘（断熱ピン、ダクト固定釘、断熱フック釘とも呼ばれる）は、断熱材（グラスウール、ロックウール、ゴムプラスチックなど）を様々な種類のダクト（亜鉛メッキ鋼ダクト、ステンレス鋼ダクト、複合ダクトなど）に確実に固定するために使用される特殊なファスナーです。

これらは、ダクト断熱工事に不可欠な補助材料です。

​主な種類と仕様​

1. ​固定方法別：

• ​接着剤タイプ：最も一般的なタイプで、高強度接着剤を使用して固定します。金属ダクトに適しています。
• ​溶接タイプ：釘頭に金属溶接ディスクが付いており、特殊な溶接機を使用してステンレス鋼などのダクトに溶接します。大規模プロジェクトや、特定の接着要件がある用途に最適です。
• ​スナップオン/クリップタイプ：シャンクにバーブがあり、ワッシャーにはロック溝があります。ワッシャーを押すだけで、工具を使わずにすばやく固定できます。

1. ​長さ別：

• 断熱釘の長さ（L）は、主に断熱層の厚さに合わせて選択されます。一般的なサイズには、30mm、50mm、80mm、100mm、120mm、150mmがあります。
• ​選択原則：断熱釘の長さ ≈ 断熱層の厚さ + 10mm～15mm（ワッシャーの取り付けと締め付けのためのスペースを確保するため）。

​主な特徴と要件​

• ​高強度：釘本体とワッシャーは、断熱材の重量を支え、外部からの衝撃に耐えるのに十分な機械的強度を備えている必要があります。
• ​耐食性：結露や高湿度が存在するHVACダクトで一般的に使用されるため、材料は耐食性、防湿性、防カビ性が必要です。
• ​低熱伝導率：熱橋を最小限に抑え、効果的な断熱を確保するために、非金属材料（ナイロンなど）で作られています。
• ​耐熱性：HVACシステム内の温度変動に耐える必要があります（通常、-40℃～+100℃で安定）。
• ​強力な接着力：接着剤タイプの釘は、ダクトの耐用年数を通じて確実に固定されるように、特殊な接着剤と併用する必要があります。

​設置ガイドラインと注意事項​

1. ​数量要件：基準では、単位面積あたりの断熱釘の数が指定されています。

   • ​ダクトの側面と底面：少なくとも1平方メートルあたり16本の釘。
   • ​ダクトの上面：少なくとも1平方メートルあたり10本の釘。
   • 断熱材の密度と仕様に合わせて調整し、たるみを防ぎます。

2. ​配置：釘は均等に配置し、間隔は通常400mmを超えないようにします。ダクトの端やフランジの近くの釘は、端から150mm以内に配置する必要があります。

3. ​表面処理：設置前に、ダクト表面の油、ほこり、湿気を完全に除去し、乾燥した清潔な接着面を確保します。準備が不十分だと、接着強度が低下します。

4. ​接着剤の使用：断熱釘には特殊な接着剤のみを使用してください。通常の接着剤は使用できません。接着剤を塗布した後、釘を数秒間しっかりと押して、完全な接触を確保します。

5. ​硬化時間：断熱材を取り付け、ワッシャーを固定する前に、接着剤を完全に硬化させてください（通常24時間。製品の説明を参照してください）。